Senses

足の踏み場もないほどに散らかった心 ベッドに沈む体 眠れずにいる夜 やるせない自分が嫌になる 画面の中光を纏い歌う天使 強いと思っていたあなたは 本当は繊細で糸みたい 何よりも大きい愛も妬みも 言葉にすると平坦でたわいない あの温もりは本当だったの…

完成した服装の彼は 今日も1人ベランダに ありきたりなイヤホンで 知らない曲を聴いてる 明るい髪色の彼女は 黒いカメラ首に提げ 鈍い顔をしながら 花々を瞳に写してる 知らない誰かの日常の中に映る ちっぽけな私は どんな姿をしてるだろう 明るさも優しさ…

コンクリートと熱度

通勤快速が空の中を走る 東京は27℃ 高架下で眠る猫と忘れられた夢たち 電車の冷房は時に情熱すら奪うよ 吐瀉物のように人が吐き出されていく 日々折々生み出してきたものは ありふれた生活の一部で はかないね 柔らかな風が無生物たちを抱きしめる

帆布

もう会えないね 今まで楽しかったよ 終わりを急かすように 降車ボタンが赤く点滅している ずっとずっと長い夢を見てたよう ついに目覚めてしまったけど 春先の冷たい風 片側二車線の道路 嬉しかった赤信号も 今ではただ煩わしくて 俯いて早足で騒々しい街を…

よるには

煙草の灰が落ちていくように 何気ない一日が終わっていく 街の星々が一つまた一つと消えて残るのは 孤独と淡い黄色だけ 精神論とかもういいよ 誰にでも当てはまる 私だけの話をしてよ 誰かの幸せに纏めないで 心の底まで手を伸ばして あなたの声の形をなぞっ…

制約と愉楽

蛇口の冷たさ 水滴のリズム 鳥の会話や風の香り 洗濯物のダンス コンクリートの焦げた匂い 角度を持って流れる花弁 水溜まりの中を泳ぐ雲 猫のあくび 人のぬくもり 自由と不自由の隙間の心地よさを味わうこと

絨毯

厳しい冬の寒さに耐えようやく開いた桜の花も 激しい雨に打たれて落ちてしまうことが心苦しい それでも尚地面を彩り続ける美しさと強さが胸に染みる 綺麗事ばかりな世の中で 本音だけが聴こえる場所を大切にしたい

あなたと

落ちてくる花びらを集めたり 黄色い車を探したり 電線の影で綱渡りしたり お気に入りの雲の形教えあったり しよう

春すぎて春

蟻がせこせこと働いてるのに僕はぼーっと空を眺めているだけ 頑張れるかなぁ 社会人